標題:
そこで、ギールは思い出しかけていた
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作者:
gtds63gsfgf
時間:
2014-6-29 16:02
標題:
そこで、ギールは思い出しかけていた
第195話 覇王編終章(前)-頂に立った者
彼女は目を開けた。 まず視界に入り込んできたのは、雲一つない真っ青な空。
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抜けるような、青空。「…………」 むくり、と身を起こし。 首を回して、あたりを見回した 一面に、青々とした草原が広がっている。
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落ち着ける場所が。 この世のどこにあったというのだろう。 このような、穏やかな世界が。 そこで、ギールは思い出しかけていた。
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「我は……」 こんな世界を、自分は。 欲していたのではなかったのか。 ただ、争いも諍いもない、穏やかで心の安らぐ世界を――。
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澄んだ空気だ。淀みも濁りもない。(このような場所……この世の何処にあったのだ) 綺麗で。 穏やかで。
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「そうですよ、ギール様」「!」 ギールの心に応えたかのように。 不意に背後から、聞き覚えのある声がした。 振り向いてみると、そこには馴染みの顔。「舞佳!」 扇子をゆるく扇がせ微笑む少女が、そこに立っていた。「またお会いできましたね、ギール様」「舞佳……お前は確か、我が……」 我が、引導を渡してやったのではないか。 病に苦しみ、覇王軍による世界の支配までに生き続けることかなわず、ならばせめてと自分に命を捧げたはずの舞佳が、こうして立っている。「……まあ、そのへんはほら、アレですよ」「舞佳……」 扇子の少女は、ゆっくりと覇王のもとへと歩み寄る。 ギールは気づいた。 目を覚ました瞬間から、そうではないかと薄々思っていた。 それを証明するように、目の前には殺したはずの舞佳がいて。 覇王の疑惑は、確信に変わる。「そうか、我は……」 成し得なかったのか。 頂点を掴むことも。 腐った世界を自分の色に塗り替えることも。 力こそが絶対の世を布くことも。 戦争、差別、格差、その他この世に不要な全てをなくすことも。http://www.gucci.webhousenatal.com 記憶をたどって思い出そうとするが、フィルムが焼け落ちたかのように記憶が途切れていてうまく思い出せない。ヴィヴィアン時計 スクッと立ってみる。 右手も左手も問題なく動く。歩くことも問題ない。 数歩歩いて、ゆっくりと呼吸をしてみる。
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ギールは目をしばたかせ、周りの景色を見渡しながら呟いた。(我は確か、震天の竜と戦い……いや、その後……)
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どこまでも続く、草原が。 自分はそんな草原の真っただ中で、仰向けに眠っていたようだった。「ここは何処ぞ……我は、なぜこのような処に……」
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