標題:
「さて、魔術師
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作者:
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時間:
2014-6-29 15:06
標題:
「さて、魔術師
寝室に戻ってきたフールはベッドに腰を下ろして窓から夜空を見上げた。空にかかる月は今夜もひっそりと淡泊な月光を宿しており、その光を碧眼に映しながらフールは静かに考える。 自分はこれからどうすべきか。エレンが与えてくれた時間を無駄にするわけにはいかない。これ以上愚かしい行為を取るわけにはいかない。http://www.daisysrooftopbbq.com「僕は罪から目を逸らしたくなかったからです。僕の罪は簡単に見限れるほど浅いものではありません。その罪を誤魔化して無かったことにするのはどうしても自分で許せなかったのです。だから僕はホスピタルに行くのを拒みました。自分の罪を罪として見つめ続けるために」エアジョーダン11 フールの言葉は言わば自分自身に向けられたものだ。なぜ自分がここまで歩んできたのかを再確認するためのもの。
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「しかし君はホスピタル行きを拒んで逃げた。なぜだ?」 確認するようにセオは問い詰めてくる。フールは顔を上げ、先程よりは芯の通った声で答える。
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それを実感したフールは俯き、自信のない細い声を漏らす。「そうかもしれませんね。あの時あなたに捕まっていれば僕はエレンさんと会うことはなかったし、フェアリーが誕生することもなかった……。きっと全てが丸く収まったでしょうね」
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「ホスピタルの『治療』は誤魔化しか……。悔しいが、その点だけは同意しておこう」 複雑な顔でセオは言う。セオがホスピタルを去った理由が一瞬だけ見えたような気がしたが、フールは追言せずにこの話題から手を引いた。そしてそれはセオも同じだった。
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何気なしにセオの背中を見つめていると、セオが顔だけを向けて皮肉めいた視線を投げてきた。「こんなことならあの時私に捕まっていた方がよかったのではないかね?」
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フールは小さく頭を下げる。「失礼しました。では……」 リビングを後にし、フールは寝室に戻った。これ以上の会話はしたくないというセオの雰囲気を察知し、フールは素直に退散する。
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「あの時……」 セオの言葉の意味をフールはすぐに把握する。 昔――フールがギフトを得てまだ間もない頃、フールはホスピタルのナースであったセオと一戦を交えたことがあった。あの時はフールが戦闘を拒んで逃亡したために二人の決着は着かなかったが、今思い返せばセオの言う通り大人しくホスピタルに入って『治療』を受けていた方が大事にならずに済んだかもしれない。
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「さて、魔術師(マジシヤン)。悪いが私はしばらくしたらとある人物に電話をかけなければならない。もう用がなければ大人しく寝室に篭っていてくれないだろうか」
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