標題:
海って」
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作者:
gfdrtfwkdfe
時間:
2014-6-29 14:57
標題:
海って」
「シルビアって何か好きなこととかあるの?」「好きな……こと?」 マリアの唐突な質問の答えに困った。
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共に歩くマリアが尋ねると、シルビアは首を横に振った。「ずっとあそこにいたから……知らなかった」 シルビアは海の向こうに見える都市部を指差した。
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だが、少なくともシルビアは今までの彼女とは違っていた。 まだ心のどこかに何かを受け入れる余裕を持てていた。海と砂浜が作り出す雰囲気のおかげでもあって。
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シルビアはしみじみと蒼く澄み渡る海を眺めながら歩いていた。 包帯はまだ外してはいないが、コートを羽織っての外出だった。マリアの方は白いコートに下はスカートといった格好だ。二人は意識したわけでないが、白黒の対象的な色の服を着ている形になった。
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「……ない」 素直にそう答えた。 すると、マリアはここぞとばかりに口を動かす。「わたしはね、生きてることが好きなんだ」「生きてること……?」 何とも不思議なことをマリアは言いだした。 しかし、彼女自身は別段ふざけているわけでもなく、純粋にそう言っていた。「どうせメディから聞いてるんでしょ? わたしのパパとママのこと」 次第にマリアの表情から笑みが薄れていった。 それでも完全には失せないように保とうともしていた。「パパとママは優しい人だったよ……。何で死んじゃったのかをメディは教えてくれないけど、もうどうでもよくなっちゃった」「どうして……?」「だって、死んだらそこでおしまいでしょ? どんな死に方でも死んだら終わり……何もできないんだから……」「死んだら……終わり……」 シルビアは人の“死”について思い出した。散々に悩み、考えても理解できなかったものを。 マリアの言うことは至極当たり前で、何の変哲もないものだった。一度、命を落とせばそれを取り戻すことは不可能に近い。シルビアが殺め、奪ってきた命はもう戻ってくることはない。http://www.gucci.oursharedeurope.net 彼女は海という概念は何となく知ってはいたが、実物を落ち着いて見たことはなかった。「そうなんだ……」ロンシャン 店舗 潮の香り漂う風に煽られ、二人の間に沈黙が生まれた。まだ完全に打ち解けたというわけではない様子だった。
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さざ波の音の中、空にはカモメ数羽が飛び交い、リズミカルに鳴いていた。「シルビアは初めてなの……? 海って」
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雲一つない青空、心地よい風。 砂浜には波が押し寄せては引きを繰り返している。「…………」
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好きなものなど、意識することなく生きてきた。殺戮だけをしていたとはいえ、殺しを好んでやっていたわけでもない。
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