標題:
「どうぞ」「失礼します」 中は乱雑だった
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作者:
ehgffyTht
時間:
2014-6-27 21:44
標題:
「どうぞ」「失礼します」 中は乱雑だった
「黙って任せるしかあるまい」 訪れた沈黙に、ラウバルはユリアへ思いを馳せた。 どこか庶民的な気質を持つ父王の影響か、ユリアは王城で育った王女のわりには考え方が砕けている。人の意見を聞く耳を持つのだ。そのくせ、こうと決めたら頑なになる強情さも持ち合わせてはいるが、いずれは人の意見を取り入れて政策を貫き通す強さへと育つだろう。
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「その通りだ。カズキを巻き込んだ責は俺にある」 通り道を見つけた風が春の香りを乗せて流れ込み、赤い髪が風に揺れるそのままにシェインが目を細めた。
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「ラウバル殿」「シェインに、随分頑張っておられると窺いました」 壁際に掲げられた灯火が、ちらちらと視界の隅でオレンジ色の炎を揺らした。扉を閉めてユリアの方へ足を向けながら、柔らかく口を開く。だがユリアは笑みさえ浮かべぬ硬い表情のままで、顔を横に振った。http://www.dg.comparereplica.com「どうなったかな……」 否定も肯定もせずにただ沈黙を守ったラウバルの耳に、シェインの呟きが届いた。ドルチェ&ガッバーナ「何がだ」「無論、カズキらの動きだ。レガードの生還もしくは『王家の塔』の解放……取り急ぎはいずれかで良いから、カタがつけばと思うのだがな」
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窓の外から木々のさざめきと共に街のざわめきが運ばれてくる。今しも取り囲む諸国と一触即発であるとは思えないほどの、穏やかな光景である。
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「……ユリア様も、お体を壊されないよう見張っておらねばならぬな。一途な人ゆえ」「レガードが戻るまで、自分がクレメンス陛下の遺したものを守らねばならぬと必死なようだ。無関係なカズキを巻き込んでいる責任も感じているようだな」
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シェインと別れて自分の執務室を出たラウバルは、足を国王の執務室に向けた。そこでユリアが、ラフトシュタインから政に関する知識を詰め込まれているはずである。先ほどのシェインの口ぶりを考えるに、しごかれているのはユリアかラフトシュタインかは定かではないが。
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「ユリア様に責はなかろう」 かけたままの書き物机からちらりと振り返るラウバルの言葉に、口元で微笑を象ったシェインが頷いた。そのままの姿勢で腕を伸ばし、柔らかい午後の日差しの差し込む窓を開ける。
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扉をノックすると、中からユリアの声が答えた。「どうぞ」「失礼します」 中は乱雑だった。ユリアが掛けている艶やかな褐色の机の上には書物が山と積み上げられ、床にまで書類が広がっている有様だ。書物に埋もれるようにして顔を上げるユリアの隣で、分厚い書類の束を抱えたラフトシュタインが妙にほっとしたような表情をこちらに向ける。
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